こんにちは。ピープル・ツリー 生産管理担当のフクハラです。
もうすっかり春の陽気で、冬からページをめくるように
一息に季節が変わってしまったようです。
軽くて明るい洋服を着たくなり、衣替えをしました。
さて、今回はSHIBAURA HOUSEで先週行われた
「WFTO新認証マークとフェアトレードのこれから」
というセミナーのレポートです。
お話をしてくださったWFTO(世界フェアトレード機関)会長の
ルディ・ダルヴァイさんは、CTM/ Altromercato(イタリアのフェアトレード団体)の
CEOでもあります。
とても忙しく世界を駆けまわっているのに、
楽しくてゆったりとした雰囲気のある方でした。
1年のうち出張のため90日ほど海外で過ごしているそうで、
日本にいらした時も、ジェットラグ(時差ぼけ)かどうかもう分からないと、
笑いながらおっしゃっていたのが印象的です。
ルディさんは講演で、フェアトレードの歴史、WFTOの取り組み、
新しく始まった認証制度と製品ラベルがどのようなものかを話してくれました。
私は特に、フェアトレードビジネスが世界的に大きくなり、
さまざまな認証制度が市場に出てくる中でなぜWFTOが認証を始めたのか、
そしてそれはどのように生産者側へ影響するのか、ということに関心がありました。
拡大するフェアトレード市場で、従来の認証制度は食品のカテゴリーは多いものの、
手工芸品は対象外となる傾向がありました。
消費者側からすると、より多くの消費者に背景が保証された
フェアトレード製品を、との思いがあります。
また、生産者側では、あまりに認証制度が複雑になると、
小さな生産者団体が、認証システムについていけず、
フェアトレードの世界からこぼれ落ちてしまうことが危惧されていました。
そのため認証制度はシンプルでサステナブルであることが重要になりました。
この認証システムでは、同じフェアトレードネットワーク内で協力し合い、
お互いに訪問し監査する制度をつくるなど、
従来の認証に比べ低コストで認証をすることができます。
小さな団体にも、同様のチャンスがあるように、という配慮がそこにはあります。
これまで、この制度が始まる前のパイロットプロジェクトで
準備を重ねてきた生産者団体を見てきました。
様々な議論が重ねられて、やっと始まったこの新しい認証制度。
フェアトレードが、この制度を通じて大きく広がっていくのが楽しみです。
講演の最後に、ルディさんが、短いビデオを見せてくれました。
それは、ケニアやインドの都市からは遠く離れた町でつくられた商品が、
トラックや船で運ばれ、商店に立ち並び、私たちのもとへ届く様子でした。
生産の現場では、子どもを連れたお母さんや、
子どもたちのスマイルに溢れていました。
フェアトレード商品が立ち並ぶお店でショッピングをする人たちの姿からも、
わくわくする気持ちが伝わってきました。
人の手から人の手へとひとつの商品が渡る映像を見て、
最後はみんな笑顔でイベントを終えることができました。
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